

在宅ワーク入門では在宅ワークを本格的に始めようとしている方々への入門的講習です

第3章では、在宅ワーカーとしてデータ入力業務を行うのに適したパソコンのハードウェアやソフトウェアの環境がどうあるべきかを学習するとともに、パソコン活用のプロとして不可欠な基本的知識を整理していただきます。
1.最適なパソコン環境
1−1 パソコンの種類
現在では、多くのメーカーからさまざまなパソコンが発売されていますが、パソコンはデスクトップ型とノート型に大別することができます。

一般に、デスクトップ型のパソコンは、ノート型に比べて画面が大きいため見やすいといえます。また、ノート型と比較すれば低価格で拡張性にも優れており、高性能であるといえますが、その反面、占有面積がどうしても大きくなってしまうというデメリットもあります。
一方、ノート型パソコンは、コンパクトであり、大きなスペースを占有することもなく、携帯性に優れているため、どこにでも持ち運んで作業することが可能です。また、一般的にデスクトップ型と比較して、省電力の設計がなされていることもメリットのひとつです。しかし、その反面、画面やキーボードが小さく、操作性の点でデスクトップ型には劣るということや、比較的高価格であり、拡張性に乏しいといった点がデメリットとして指摘できます。
当然、データ入力業務は、そのいずれのタイプででも行うことはできますが、画面の見やすさとキーボードの使いやすさといった操作性の点から、デスクトップ型に一日の長があるといえるでしょう。
ただ、在宅ワーカーの場合、仕事場がすなわち自宅ということから、スペースの制約が大きいことも十分に考えられます。したがって、ご自身の環境も加味して、いずれを選択するかの決定を行う必要があります。
1−2 パソコンのOS
OSとは、オペレーティングシステムの略で、WindowsとMacの2つのオペレーティングシステムが有名ですが、現在は、Windowsのシェアが圧倒的です。印刷会社など、Macが主流になっている業種もありますが、そうした会社でも事務関係のOSにはWindowsを採用しているところがほとんどです。
また、データ入力で使われるソフトウェア(以下、「ソフト」といいます)もWindows対応のものが充実しています。例えば、日本語入力ソフトでは、Windowsに標準搭載されている「MS-IME」のほうが、Mac標準搭載の「ことえり」よりデータ入力業務に適していることや、Windowsでは、郵便番号変換辞書が標準搭載されているという点を上げることができます。
したがって、必然的にデータ入力業務を行う際のOSには、Windowsが適しているということになります。
なお、以下の解説はWindowsの使用を前提に行いますので、留意しておいてください。
1−3 データ入力業務に必要なパソコンスペック
パソコンのスペックとはその性能のことをいいますが、この中でデータ入力業務に密接な関連を持つスペックは、主としてCPUとメモリーの大きさ、ハードディスクの容量です。
これらのスペックは、パソコンのカタログや取扱説明書に掲載されているほか、パソコンそのものの操作で表示させることもできます。
1)CPU
まず、CPUとは中央演算装置の略で、一言でいうとパソコンの頭脳にあたる部分です。
この性能を示す数値のひとつにヘルツ(Hz)の単位で表される周波数があり、この数値が大きいほど処理を早く行うことができます。
データ入力業務では、一般的に800メガヘルツ以上であれば、ストレスを感じることなく、スムーズに作業を行うことができるといわれています。
また、CPUの製品名には、ペンティアムやセレロン、アスロン、センプロンなど、多くのブランド名が冠されており、同一メーカーの製品でもブランド名によって性能に違いがあります。例えば、同じ800メガヘルツのCPUであっても、各ブランドによって性能が異なりますので、注意しておきましょう。
2)メモリー
メモリーとは、CPUで処理するデータを読み込み、一時的にやり取りするために用いられるものです。いわば、CPUとハードディスクとの仲介役で、メモリーの容量が小さければ、例えCPUがいかに高速であろうとも、その処理速度が遅くなり、逆にメモリーの容量が大きければ、CPUがその性能を遺憾なく発揮し、パソコンでの処理が快適に行われることになります。
メモリーの容量は大きいにこしたことはありませんが、データ入力業務では、一般的に256メガバイト以上あれば十分であると考えられます。
3)ハードディスク
ハードディスクとは、パソコンで作成したデータを保存しておくための装置の代表的なものです。
先ほどご説明したメモリーは、一時的な作業スペースであるため、そのままではパソコンの電源を切るとメモリー内のデータも消失してしまいます。ハードディスクは、これらのデータが消失しないように保存するための装置です。
ハードディスクは、その容量が大きければ大きいほど、保存できるデータの量も大きくなりますが、データ入力業務では、1ギガバイト程度の容量の空きがあれば対応可能と考えられます。
以上を参考に、データ入力業務に使用されるパソコンのスペックを確認し、また、実際に使用してみて物足りなさを感じるような場合には、メモリーやハードディスクの増設を検討することをお薦めします。
1−4 インターネットへの接続環境
インターネットへの接続環境は、ナローバンドとブロードバンドに大別できます。
ナローバンドとは、アナログ回線やISDN回線を経由する比較的通信速度の遅い接続方法を指し、ブロードバンドとは、ADSLやケーブルテレビ、光ファイバーなどの高速回線を利用した接続方法を指しています。

データ入力業務では、ブロードバンドの接続環境が不可欠です。というのは、データ入力の業務の中には、画像データにされた原稿が電子メールで送信されてくるケースがあり、こうしたデータは、原稿の枚数によっては数十メガバイトになることもしばしばで、通信速度の遅い接続方法では、対応できないケースが生じるからです。
また、在宅での業務の場合、クライアントとの連絡手段はメールが中心になっていますので、常時接続が通常であるブロードバンドが非常に便利です。これが、ナローバンドであれば、メールを送信する都度、回線へ接続する必要があるからです。
さらに、ブロードバンド接続の場合、料金も定額制がほとんどですから、ナローバンドの場合のように、電話料金を気にかけながら使う必要もありません。
なお、ブロードバンドには、さまざまな回線速度のサービスが用意されていますが、最低でも8メガバイト/秒のサービスの利用が好ましいでしょう。
1−5 パソコンソフトの環境
これまでにも学習してきたとおり、データ入力業務にもさまざまな種類があります。
そして、その業務の内容によって、使用するソフトも異なっています。
1)ワードとエクセル

まず、ベタ打ちと呼ばれる原稿や出版物の文章を入力する業務では、「ワード」に代表されるワープロ入力ソフトが不可欠です。
また、名簿や名刺などのデータ入力に際しては、「エクセル」に代表される表計算ソフトが不可欠になります。
この2つのソフトは、一般の方が家電量販店などで購入するファミリー向け商品には、はじめからインストールされている場合が多いですが、ビジネス用コンピュータを購入する場合には、オプションとして別途購入の必要がありますので注意してください。
2)メールソフト
さらに、データ入力という業務をサポートするソフトとして、メールソフトがあります。これも、在宅ワーカーにとって業務上の連絡手段として不可欠なものですが、通常Windowsパソコンには「Outlook Express」というメールソフトが標準装備されています。
3)圧縮・解凍ソフト
また、クライアントから入力データの原本がメール添付ファイルで送られてくる場合、ファイルの容量を小さくするために圧縮されている場合があります。また、納品時にも圧縮したファイルで送るように指示されるケースがあります。このような時に必要になるのが圧縮・解凍ソフトです。
このソフトは、標準装備されていない場合もありますが、フリーウェア(一定の条件のもとに、誰でも自由に無料で使用できるもの)として各種ありますので、ご自身で使いやすいものを選択し、ダウンロードして使用するとよいでしょう。
4)PDF閲覧ソフト
一般的な電子文書の規格にPDFというものがありますが、入力データの原本が、このPDF形式になっていることがあります。また、クライアントによっては、入力仕様書がPDF形式の場合もあるようです。
このPDFファイルを閲覧するためには、アドビシステムズ社製の「Adobe Reader(アドビ・リーダー)」というソフトが必要になります。このソフトは、予めパソコンにインストールされているケースが多いようですが、もしインストールされていなくても、アドビシステムズ社のホームページから無償ダウンロードができますので入手しておきましょう。
5)ウィルス対策ソフト

このほかにも、業務を進めていく上で必ず必要なソフトとして、ウィルス対策ソフトがあります。ウィルス対策は、パソコンを使用して業務を行う上で最低限のマナーですので、プロバイダーのウィルス対策サービスを利用した上で、さらにウィルスソフトでガードするといった入念な対策が必要です。
ウィルスソフトそのものは、パッケージソフトやオンラインソフトとして数多く販売されています。
なお、ウィルス対策については、後ほど詳しく解説していますので、確認してください。
このほかにもインストールしておくと便利なソフトは数多くあります。ただ、多数のソフトをインストールするとそれだけCPUやハードディスクにも負荷がかかり、トラブルを発生させる原因にもなりますので、ご自身に必要なソフトを見極め、必要なものに絞るということも大切なことです。
1−6 その他の環境
これまで、パソコンとイーターネット接続およびソフトの環境について確認してきましたが、ここでは、データ入力業務を行う場合に必要なそれ以外の機器を確認します。
1)プリンター
その他の必要な機器として、まず、プリンターがあります。これは、入力内容に誤りがないかを確認する校正作業において不可欠です。
このプリンターには、インクジェットプリンターやレーザープリンターなどの種類がありますが、データ入力業務では、そのいずれでも問題はありません。
2)FAX
これまで説明してきたとおり、データ入力業務におけるデータの受け渡しには、インターネット経由でのケースが増えてきています。しかし、まだすべてがインターネット経由という状況ではなく、資料や原稿の受け渡しにFAXが利用されるケースもしばしばです。
FAXには、普通紙タイプのほか、感熱紙タイプのものもありますが、感熱紙の場合、時間の経過とともに色あせが生じたり、文字が潰れるということがよく起こります。したがって、業務で使用する以上、普通紙タイプのFAXが必需ということになります。
また、最近では、FAXの送受信をメールで行うサービスが提供されています。
このサービスは、専用のFAX番号が与えられ、その番号に届くFAXをメールで受信したり、パソコンからその番号を介してFAX送信を行うことができるというものです。費用的な問題を別にすれば、次のようなメリットがありますので、参考にしてください。
@受信時の用紙やトナーが不要になる。
Aメール受信の環境があれば、外出先でも受け取ることができる。
B個人宛に送信されるので、他人に見られるということがない。
C受信した文書を直ちにパソコンへ保存できる。
3)外部記憶媒体
FAX以外にもデータの受け渡しの際に利用されることのある機器に外部記憶媒体があります。
こうしたものの中、最近では、CD-RやDVD、USBフラッシュなどがよく使われているようです。
これらを利用するためには、CDドライブ、DVDドライブ、USBポートがパソコンに装備されている必要がありますので、業務の仕様書に外部記憶媒体によるデータ受け渡しが記載されている場合には、注意しなければなりません。
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パソコンやパソコンの周辺環境を整備することで、作業の効率化やスピードアップを図ることができますので、ご自身の事情にあった環境整備を検討しましょう。
