

在宅ワーク入門では在宅ワークを本格的に始めようとしている方々への入門的講習です

2.辞書の活用
2−1 各種の変換モード
本節では、Microsoft社のIME 2003を例に辞書の効果的な使い方を説明していきます。
IMEのツールバーを見ると、一般の「般」という文字があります。これは、変換モードを表していて、今は「一般モード」で変換を行っていますよ、ということになります。変換モードには他に「人名/地名モード」や「話し言葉優先モード」があり、このツールバーから簡単に切り替えることができます。
変換モードとは、目的別に使う辞書を選んでくれる機能であり、初期設定の状態である「一般モード」では、使用する辞書はシステム辞書の「標準辞書」と「ユーザー辞書」だけです。通常個人で使用する場合は「一般モード」で十分です。
「人名/地名モード」に変更すると、「一般モード」に加えて、「郵便番号辞書」、「単漢字辞書」、「人名地名辞書」も使用できる状態になります。この中の「郵便番号辞書」を使うと、郵便番号を入力して変換キーを押すと、対応する住所を変換候補に表示できるようになります。例えば、「105」と入力すると「東京都港区」という変換候補が現れ、「105-0011」と入力すれば「東京都港区芝公園」までの住所が変換候補に現れます。このように、郵便番号さえわかれば、住所を途中まで変換してくれますので、入力のスピードアップにもつながってきます。
また、「人名/地名モード」の「単漢字辞書」を使うと、漢字の送り仮名を除いた部分だけ入力しても変換できるようになります。この辞書は、漢字の読み方がわからない言葉を入力するときに、分からない漢字の音読みか訓読みのいずれかを入力するだけで候補が出てきますので便利な場合もあります。
さらに、「人名地名辞典」を使うと、人名・地名に関わる単語が変換候補の上位に表示されるようになります。名前や地名で使われるような漢字が変換候補として現れるようになり、名簿の入力時など、効率アップにつながります。
以上のように、名簿などの、住所や名前の入力が多くを占める作業の場合、この「人名/地名モード」にすると、入力効率が上がり大変便利です。しかし、文章などのベタ打ち作業を行う場合は、本来使いたい言葉がなかなか出てこないということになり、かえって不便になります。したがって、必要に応じてモードの切り替えを行うなど、うまく活用して、入力のスピードアップを心がけましょう。
2−2 辞書の個別設定
ここでは、辞書を個別に設定する方法について説明します。
まず、ツールバーからプロパティを開き、「辞書/学習」のタブを選択すると、ダイアログが表示されます。この下の方に「システム辞書」という欄がありますので、ここで使用する辞書の詳細設定を行います。
ここで例えば、原稿のベタ打ちをするのに、読めない単語が多いという場合には、「単漢字辞書」だけを標準辞書に追加して使うと便利ですので、「単漢字辞書」にチェックをいれるとよいでしょう。
なお、一度チェックをすると黒いチェックが入り、常に変換に使用できることになります。さらにもう一度チェックを入れるとグレーのチェックに変わり、下欄に表示される特定の変換モードでのみ使用できる状態になります。なお、もう一度チェックすると空欄になって使用されない状態に戻ります。
もしここで、すべての辞書を「常に使う」設定にした場合、入力内容に合わせて変換モードを切り替える煩わしさはありませんが、変換するたびにすべての辞書の変換候補が現れることになり、選択するのに手間がかかります。したがって、どのような場合にどのような設定にしたら使いやすいか、予め確認しておき、作業の種類によって切り替えるといった方法を採るのがよいでしょう。
この設定では、便利な辞書として、カタカナ語英語辞書を選択することもできます。これは、カタカナ英語をアルファベットに変換してくれる機能で、重宝している方も多いようです。
例えば、「あぷりけーしょん」と入力すれば「application」と表示され、「うぃんどうず」と入力すれば「Windows」と英単語として表示されるものです。
2−3 検索機能
データ入力業務を行っていると、なかには、読み方がわからなくて入力できなかったり、変換キーを押しても選択一覧に表示されない漢字に出会うこともあります。そのような場合に用意されているのが検索機能です。
例えば、「鯵(あじ)」という字を入力したくても、読み方がわからなかった場合、ツールバーからIMEパッドをクリックすると、どの方法で漢字を探すか選ぶことができます。簡単に探すには「手書き」がいいでしょう。マウスで文字を書くと、それを認識して似た漢字を表示してくれます。詳細表示にするとさらに詳しい読み方や異字体を調べることができます。
他にも、画数や部首で表示対象を絞り、その中から該当する漢字を探し、見つけた漢字をクリックすれば、その漢字が入力されます。なお、この機能では、画数の多い漢字ほど、下に表示されます。
さらに、この他の方法として文字コードで入力する方法があります。パソコン漢字辞典などで文字に割り当てられているシフトJISコードを調べ、その英数字を入力してF5キーを押せば、IMEパッドが開いて該当する文字を入力することができます。
このように、読めない漢字を検索して入力する方法も各種用意されていますので、自分が最も早く探し出せる方法を見出し、その方法を利用するのがよいでしょう。
2−4 IME設定の変更
IMEの設定は、標準のままでも入力に支障はありませんが、変更したほうがスピードアップにつながる場合もあります。
「プロパティ」から「オートコレクト」のタブを開いてみると、上の欄にたくさんの項目が入っているのがわかります。それぞれ、入力ミスをしないようにIMEが自動修正してくれる便利な機能なのですが、あえてその文字を入力したい場合は不便になってしまいます。
例えば、この一番上の項目ですが、ここにチェックが入っていると数字の間に「点」を入力したい場合にも自動的にカンマに変換されるため、点に変換しなおすには手間がかかりますし、誤っていても見落とす可能性があります。点とカンマが混在する文章などを入力する際には、この設定をはずしてしまうか、または入力するたびに注意が必要です。
ほかにも設定をいろいろと試してみて、入力の際に効率が悪くなるものはチェックをはずすようにしましょう。
また、「変換」の項目では、変換に関するさまざまな設定を行うことができます。例えば「句読点などの文字列が入力されたときに変換を行う」にチェックを入れてみます。すると、文章を入力した後、句読点などを入力すれば、その時点で変換が行われるようになります。文章のベタ打ちなどの入力をしていて、いちいちスペースキーを押すのが面倒だという場合には、使ってみるのもいいかもしれません。
2−5 辞書登録
システム辞書に入っていない単語や、変換が面倒な単語は、自分で辞書に登録しておくと入力の効率を上げることができます。
例えば、「株式会社」を表すのに「(株)」と入力するケースがよくあります。通常ですとカッコ、かぶ、カッコと、入力するのに少し手間がかかります。このような、入力に手間がかかる単語が原稿に多く含まれるならば、効率アップのために、単語を辞書に登録して入力を簡単に行うことも可能です。
この場合の登録方法は、まず、ツールバーから、単語・用例の登録を選択します。「読み」にはひらがなか英数字で語句を呼び出す言葉を入れます。自分が覚えやすく、入力しやすい言葉(「かぶ」など)にしましょう。「語句」には読みを入力したときに変換できる単語、この場合では「(株)」を登録します。なお、登録したい単語をコピーした状態でこの登録画面を開くと、最初から語句の欄にその単語が入るので、入力の手間が省けます。
登録が完了すると、「かぶ」と入力するだけで「(株)」に変換できます。また、ここで登録された単語は「辞書ツール」で確認や編集をすることができます。
もうひとつ便利な使い方として、よく使う短文や定型分などは登録しておくことをお薦めします。例えば、自分の住所やメールアドレスなどの長い言葉を「じたく」、「めーる」などの短い言葉で呼び出せるように登録しておけば、簡単ですし、入力ミスも少なくなります。
このように、自分流のわかりやすい読みで言葉を登録する習慣をつけておき、どんどん使い勝手のよい辞書にしていきましょう。
なお、せっかくユーザー辞書に単語をたくさん登録し、自分の使いやすいようにカスタマイズしていても、それがパソコンの故障などで消えてしまったら、また一からやり直しということにもなりかねません。そのような場合に備えて、ユーザー辞書のバックアップをしておきましょう。バックアップには、辞書そのものをコピーして他の場所に保管しておく方法か、辞書をテキストファイルに書き出して、それを保存しておく方法があります。
以下、その手順について、簡単に説明します。
まず、作業に先立ち、バックアップ用のフォルダを作成します。辞書そのものをコピーする場合には、「プロパティ」の「辞書/学習」の中にある「参照」をクリックすると、「ユーザ辞書の設定」画面でユーザ辞書のリストが表示されますので、バックアップする辞書を選び、マウスの右クリックで表示されるメニューから「コピー」を選択します。保存先のフォルダを開いて、その画面で右クリックして表示されたメニューから「貼り付け」を選ぶと、そのフォルダーにユーザ辞書のコピーができます。
テキストファイルに出力する場合には、IMEのツールバーから「辞書ツール」を開き、「一覧の出力」をクリックします。保存場所を指定すればそこにテキスト形式のファイルが作成され、バックアップ完了です。
次に、このバックアップした辞書を使いたい場合ですが、まず、「辞書ツール」を選択します。続いて「Microsoft IME 辞書ツール」画面で「ツール」をクリックし、コピーした辞書を復元するなら「Microsoft IME 辞書からの登録」を選び、バックアップしてあった辞書のフォルダから辞書を指定します。テキストファイルから復元する場合は「テキストファイルからの登録」をクリックし、ファイルを指定すれば、辞書はバックアップしたときの状態に戻ります。
2−6 ファンクションキーの活用

最後に日本語入力ソフトのショートカットキーとして用意されているファンクションキーについて説明します。
文書の中に、カタカナやアルファベットがあった場合、いちいち入力モードを切り替えて入力しなくても、ファンクションキーを使って、簡単に入力できるものがあります。文字を入力したあとに、F6〜F10のファンクションキーを押すだけで、次のように変換されるというものです。
F6は、打った文字をひらがなに変換します。ひらがなのまま入力したいのに、誤って変換してしまったときなどに便利です。
F7は、打った文字をカタカナに変換します。通常カタカナで書くものであれば、問題なく変換してくれますが、マンション名などカタカナになりにくいものはF7を使うと便利です。
F8は、打った文字を半角に変換します。ひらがな、カタカナ、漢字なら半角のカタカナに、英数字はそのまま半角になります。
F9は、打った文字を全角のアルファベットに変換します。
F10は、打った文字を半角のアルファベットに変換します。
なお、このF9とF10は、確定する前に何回か押すと小文字・大文字・頭文字だけ大文字という3種類のパターンを繰り返すようになっています。
また、いったん変換した漢字も、確定する前であれば、一番左上のエスケープボタンで変換前の状態に戻せます。さらに押すと、入力自体がキャンセルされて文字が消えます。
ここでいえることは、「キーボードでの操作には、速い・正確・疲れないと三拍子揃ったメリットがあるため、慣れている環境で慣れた操作を長時間するのであれば、キーボード中心で操作を行い、マウスは必要最低限にしか使わない」ということであり、これがデータ入力業務の効率化につながるといえるでしょう。
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IME2003の辞書モードの切替を適切に行うことはもちろん、各種のサポート機能を活用して、自らに最適な入力環境を作ることで、業務のスピードアップを図ることができます。




